TWELITE DIPの接続しとリレースイッチの起動に必要なトランジスタの接続を行います。
TWELITE DIP の接続
電源とTWELITE DIPをつないでいきます。
TWELITE DIPでは親機と子機の間で相互通信を行うことができます。そのためには、必ず1台を親機として設定しなくてはいけません。親機同士、子機同士の通信を行うことはできません。
ここまでこれば、あとはデジタル出力1端子をリレースイッチにつなげば、ストップウォッチのスタート/ストップを操作できる。そう思っていました…。
リレースイッチについて、残念ながら今回使用するタイプのリレースイッチのデータシートでは詳細がわかりません。そこで、秋月電子で販売されている別の3Vリレーのデータシートを見てみます(データシートはこちら)。
データシートからは、3Vを印加したときのNominal Current(定格電流)が66.7mAとなることが分かります。これは、3Vの電圧がコイルに加わると、66.7mAの電流が流れるということになります。逆に言うと、それだけの電流が流れないと、リレースイッチを起動させることができません。今回使用するリレースイッチでも極端な違いはないと思います。
一方、TWELITE DIPの出力端子の駆動出力上限は最大で4mAとなります。 回路によっては4mA以上の電流が流れますが、リレースイッチを動かすほどの電流は流せません。何より、画像のような接続ではTWELITE DIPの駆動出力上限以上の電流が流れることになり、故障の原因となってしまいます。
このように、電圧は満たしても電流が不足するため、リレースイッチを動かすことができません。そこで登場するのがトランジスタです。
トランジスタの接続
トランジスタとは、信号を増幅またはスイッチングすることができる部品です。
トランジスタを使用することで、TWELITE DIPからの少ない電流でリレースイッチを起動することができるようになります。
トランジスタにはNPN型とPNP型の2種類があります。
今回使用するのはPNP型になります。
この特性を利用することで、TWELITE DIPの出力を利用してリレースイッチを動かすことができます。
デジタル出力1端子からの接続
TWELITE DIPでは、親機から複数台の子機へ同一信号を送信することができます。一方、複数台の子機から親機の同一端子へ信号送信を行うと、場合によっては通信に不具合が生じることがあります。そのため、スタート/ストップを検出する2台のセンサーの入力端子の番号を異なるものにする必要があります。
DIYで作る光電管タイム計測器では、デジタル入出力1端子とデジタル入出力2端子の2つを使用しています。
まずは、デジタル出力1端子に対応した接続を行っていきます。
これで、TWELITE DIPからの電流によってトランジスタが動作し、3.3V電源からの電流によってリレースイッチを動かせるようになります。
デジタル出力2端子からの接続
次にデジタル出力2端子に対応した接続を行っていきます。
これでセンサー側のデジタル入力2端子がマイナスになり、信号が送信された場合でも、1台目と同様にストップウォッチを操作することができます。
リレースイッチの起動
リレースイッチが起動する様子を見ていきます。
TWELITE DIPの出力端子は、通常時にはHigh(電位が高い状態)になっています。そのため、エミッタ(E)からからコレクタ(C)への電流は流れません。
信号受信時には、出力端子がLow(電位が低い状態)になります。すると、エミッタ(E)からコレクタ(C)へ電流が流れます。今回の場合は、3.3V電源からの電流がリレースイッチに流れます。電源からの電流のため、リレースイッチを起動させる電流が不足する心配はありません。
ベース抵抗
この時、電源を通してエミッタ(E)からベース(B)方向に流れ込む電流が発生します。TWELITE DIPの出力端子の駆動出力上限は4mAのため、抵抗を用いてTWELITE DIPに流れ込む電流(ベース電流)をコントロールする必要があります。
ここでは、4.7kΩの抵抗を使用しています。
ベース抵抗の計算については、以下のHP等を参考にしています。
まずはリレースイッチを動かすために必要なベース電流を求めます。
求められたベース電流となるよう、ベース抵抗の値を調整します。
これでTWELITE DIPに流れ込むベース電流は4mA以下となり、故障の心配がなくなります。
ベース・エミッタ間抵抗
回路の保護と、スイッチング動作の安定のため、ベース・エミッタ間抵抗を入れています。以下のHP等を参考に、ベース抵抗と同様の4.7kΩを使用しています。