電源

100円ショップで購入できる550円(税込)のモバイルバッテリーを充電式電源として活用します。

当サイトで紹介する光電管タイム計測器の制作方法は安全性・信頼性を保証するものではありません。 当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。

電源電圧について

光電管タイム計測器では、TWELITE DIP光電センサーを動かすことが必要になります。

必要な電源電圧
TWELITE DIP:2.0V~3.6V
光電センサー:10V~30V

TWELITE DIPを動かすためには、乾電池1個当たりが1.5Vなので、乾電池2個を直列につなげ動きます。また、3V型のボタンの電池を使用すればそれだけで動かすことができます。

一方、光電センサ―を動かすためには、乾電池が7個も必要…。これは現実的ではありません。

世の中には便利なものがあり、電圧を高めてくれる昇圧器というものがあります。ブレッドボードにも取り付けができ、これを使用すれば、少ない乾電池で10Vを超える電圧を生み出すことが可能になります。

最初の試作段階では、TWELITE DIPを乾電池2個で動かし、光電センサーは乾電池3個を昇圧器で電圧を高めて動かしていました。

モバイルバッテリー

このように、TWELITE DIP、光電センサーともに乾電池でも動作しますが、重くかさばるという難点があります。また、費用もかかります。他に方法はないものかと調べてみると、100円ショップでモバイルバッテリーが売っていることを見つけました。

調べてみると、モバイルバッテリーは共通して5Vを出力してくれます。

そして何と言っても…充電式です。

これを使わない手はありません。あとは電圧をどう調整していくかです。

DC/DCコンバータ

世の中にはやはり便利なものがあるもので、5V→3.3V、5V→12Vに変換してくれるDC/DCコンバータというものが発売されています。これを使用すれば、モバイルバッテリーの電源のみでTWELITE DIPと光電センサーの両方を動かすことができます。

このDC/DCコンバータでは、モバイルバッテリーの電源を入力側となる Vin+とVin-につなぎ、出力側をVout+とVout‐につなぎます。このタイプのコンバータであれば、ブレッドボードにも取り付けることができます。3.3V型と12V型の大きさに違いはありません。ただし、ブレッドボート上ではゆるく外れやすいため注意が必要です。

秋月電子には、別のタイプのDC/DCコンバータも販売されています。安く小さいのですが、ブレッドボードに取付できません。ピンの角度がダメでした。取り付けるためには、ピンソケットなどを画像のように加工する必要があります。

ブレッドボードに取り付けられないことはありませんが、格好悪く、何より基盤にはんだ付けすることを考えるとおススメできません。

マイクロUSBコネクタキット

モバイルバッテリーはそのままではブレッドボートや基盤に接続できません。そのため、秋月電子で販売されている、電源用マイクロUSBコネクタDIP化キットを使用します。

このキットを使用すれば、モバイルバッテリーの電源をブレッドボード上や基板上で使用することができるようになります。

バッテリー容量

今回使用しているモバイルバッテリーは、容量が3000mAhとなっています。これは、3000mAの電流を1時間流すことができるものです。

モバイルバッテリーは3.7Vのリチウムイオン電池を5Vに変換しているため、変換過程で損失するエネルギーがあります。実際の容量は6~7割程度でしょうか。さらにDIYで作る光電管タイム計測ではDC/DCコンバータでさらに変換を行っているため、実際に使用できる容量はさらに少なくなります。

光電センサーは消費電流が30mA以下となっています。そのため、モバイルバッテリーの実際の使用可能容量を1500mAhと見積もっても、光電センサーのみなら50時間も動かせてしまいます。

TWELITE DIPの消費電力は、待機時が0.1μA。送信の際が15.3mA、受信の際が17mAとなっています。こちらも光電センサと同様、かなりの時間を動作させることができます。

実際の使用ではセンサー側は約20時間起動させることができます。ウォッチ側は消費電力がより少ないため、さらに長い時間起動させることができます。

センサー側の消費電力

センサー側では待機時に以下の電力を消費します。
 ・光電センサー:約30mA
 ・電源確認LED:約30mA
 ・通信確認信号受信:約17mA  合計約 77mA

そのため、20時間の起動では以下の電流を消費することになります。

77mA × 20時間 = 1540mA

このように、モバイルバッテリーの推定容量と概ね一致します。

実際の使用を考えると、これほどの容量は無くてももいいと思うかもしれません。私もそう思います。

しかし、費用、手間、電源の安定性を考えた場合、100円ショップのモバイルバッテリーを活用しない手はありません。

DIYで作る光電管タイム計測ではモバイルバッテリーとDC/DCコンバータを使用して制作を進めていきます。

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