LEDを点灯させる回路を用いてTWELITE DIPの使用方法を紹介します。
当サイトで紹介する光電管タイム計測器の制作方法は安全性・信頼性を保証するものではありません。 当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。
はんだ付け
秋月電子では、TWELITE DIPの完成品キットと未完成キットが販売されています。完成品キットを購入した場合は、はんだ付けが不要ですが価格が高くなります。少しでも安価に制作するためにも、ここでは未完成キットを購入することをおススメします。
未完成キットではピンヘッダのはんだづけを行う必要がありますが、簡単に行えます。
まず、ブレッドボードを利用してピンヘッダーを固定します。
その上にTWEITE DIPの基盤を置き、はんだ付けを行っていくだけです。
これでTWELITE DIPの使用準備が整いました。なお、同軸コネクタタイプの場合は、アンテナのはんだ付けが不要です。
TWELITE DIPの接続
TWELITE DIPの使用方法については、必ずメーカー発行の説明書を参照してください。以下の使用例の紹介は、動作や安全性を保証するものではないことをご了承ください。
TWELITE DIPはそれぞれの端子に役割があり、電源端子と入力・出力端子を主に使用します。
以下では、TWELITE DIPの使用方法について、LEDを点灯させる回路を使用して紹介していきます。
【LEDについて】
LEDは Light Emitting Diode の略称で、長寿命で高輝度を確保できる光源です。今回の光電管タイム計測器の制作にあたっては、 秋月電子で販売されている3㎜赤色LED 70°OSR5JA3Z74Aを使用しています。
また、LEDには極性があり、足の長いアノードをプラス側、足の短いカソードをマイナス側に接続する必要があります。極性がない無極性タイプのものも販売されていますので、心配な方はそちらの購入をおススメします。
電源との接続
ここでは、モバイルバッテリーの5V電源をDC/DCコンバータを用いて3.3Vに変換し、TWELITE DIP(以下の接続説明部分ではTWE)の電源として使用しています。
- 電源のプラスとTWEのVCC、電源のマイナスとTWEのGNDを接続する。
- TWEのアナログ入力端子1~4を全て電源のプラスと接続する。
これでTWELITE DIPが起動します。なお、起動を表すLED等は取り付けられていないため、見た目には起動しているかどうかの判別ができません。
親機の設定
TWELITE DIPでは親機と子機の間で相互通信を行うことができます。そのためには、必ず1台を親機として設定しなくてはいけません。親機同士、子機同士の通信を行うことはできません。
- 親機とするTWEのモード設定1端子をマイナスに接続する。
これで親機と子機の間で相互通信を行うことができます。 子機は台数を増やすことができ、1対多の相互通信を行うことが可能です。
出力端子について
TWELITE DIPにはデジタル出力端子が1~4まで準備されています。今回の説明用回路ではデジタル出力1端子のみを使用します。
このデジタル出力端子は、通常時は電位がHighになっています。この状態でデジタル出力端子をマイナスに接続すると電流が流れます。
【TWELITE DIPの駆動出力について】
TWELITE DIPでは、電源電圧に応じてデジタル出力の駆動出力が決まっています。電源電圧2.7V~3.6Vでの駆動出力は 4mA となっています。これ以上の電流を出力端子に流すと故障の原因になります。この点は十分に注意しなくてはなりません。
※4mA以上の電流を流せないのではなく、回路によっては10mA以上の電流が出力端子に流れてしまうことがあります。故障の原因となってしまうので十分にご注意ください。
デジタル出力1端子とLEDをつなぎ、LEDを点灯させてみます。
- TWEのデジタル出力1端子と抵抗(300Ω)を接続する。
- 抵抗(300Ω)とLEDのアノード(足の長い方)を接続する。
- LEDのカソード(足の短い方)と電源マイナスを接続する。
これでとぇTWELITE DIPから電源へと電流が流れLEDが点灯します。
【抵抗について】
LEDの使用においては、抵抗を使用してLEDに過大電流が流れこまないようにしなくてはいけません。適切な抵抗値は、電源電圧、LEDの順方向電圧(VF)、LEDに流したい電流から求めることができます。
・電源電圧
TWELITE DIPの出力電圧はVCC×0.8~VCCとあります。VCCはDC/DCコンバータから出力される3.3Vとなり、最大値の電源3.3Vが出力されるとします。
・順方向電圧(VF)
データシートでは、30mA時の順方向電圧(VF)のみが示されており、4mA時の順方向電圧(VF)についてはデータシートからは分かりません。今回の計算では30mA時の順方向電圧である2.1Vを利用して計算を行っていきます。
・LEDに流したい電流
TWELITE DIPの駆動主力から4mA以下になります。
以上のことを前提に計算を行っていきます。
LEDには順方向電圧(VF)である2.1Vの電圧がかかります。 直列回路では各回路の電圧の総和が電源電圧と等しくなるため、抵抗には3.3V-2.1V=1.2Vの電圧がかかると想定します。
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直列回路では各回路の電流の値が等しくなるため、抵抗値によって回路に流れる電流を調整することができます。電流をTWEの駆動出力である0.004A(4mA)以下とするための抵抗値はオームの法則から求めることができます。計算式は以下になります。
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1.2V ÷ 0.004A = 300Ω
この結果、理論値としては300Ω以上の抵抗を使用することで、TWELITE DIPの出力端子に流れる電流を4mA以下に抑えることができます。300mΩの抵抗を使用した場合の電流をテスターで計測してみると、3mA前後の電流が流れていることが確認できました。これなら問題なく使用できそうです。
なお、画像の通り3mAの電流でもLEDはしっかりと光ります。
入力端子について
TWELITE DIPの入力端子の電位は、通常時は出力端子と同様Highになっています。この入力端子をマイナスに接続する(電位をLowにする)と信号が送信されます。そして受信した側の出力端子の電位もLowになります。
【通信例】
子機デジタル入力1をLow → 親機デジタル出力1がLow
親機デジタル入力3をLow → 子機デジタル出力3がLow
今回の回路では、子機のデジタル入力1端子をマイナスに接続すると信号が送信され、親機のデジタル出力1端子の電位もLowになります。電源との電位差がなくなったため、親機のデジタル出力1端子からは電流が流れなくなりLEDが消灯します。
動作の様子は以下の動画でご確認ください。
吸込み電流の活用
上記の例では、TWELITE DIPから出力される電流を利用してLEDを点灯させていました。それとは逆に電源からTWELITE DIPに流れ込む電流(吸込み電流)を利用してLEDを点灯させることもできます。
- 電源のプラスと抵抗(300Ω)を接続する。
- 抵抗(300Ω)とLEDのアノード(足の長い方)を接続する。
- LEDのカソード(足の短い方)とTWEのデジタル出力端子1を接続する。
この状況では、TWELITE DIPの出力端子はHighのため、電源との電位差がほぼなく電流は流れません。そのためLEDも点灯しません。
子機のデジタル入力1端子をマイナスにつなぐと、親機のデジタル出力1端子の電位がLowになります。すると、電源との電位差が生まれ、電源かあらTWELITE DIPに向かって電流が流れLEDが点灯します。
この吸込み電流の利用の場合も、TWELITE DIPの駆動出力には制限があります。こちらも先ほどと同様4mAとなります。必ずTWELITE DIPに流れ込む電流が4mA以下であることを確認してください。
実際の動作は以下の動画でご確認ください。
コメント
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