多くの種類の光電センサーの中から、タイム計測に適した光電センサーを選択します。
光電センサーについて
光電センサーとは、可視光線、赤外線などの“光”を、投光部から照射し、検出物体によって反射する光量の変化を受光部で検出し出力信号を得るものです。
DIYで作る光電管タイム計測器では、センサーから照射される光を走者が遮った時に出力される電気信号を利用してストップウォッチを操作します。
光電センサーは様々なメーカーから販売されており、種類もたくさんあります。今回の光電管タイム計測器の制作では、性能、価格、信頼性、使用のしやすさからオムロン社製の光電センサーである【 E3-JKシリーズ 】を使用しています。
光電センサーの種類
オムロンのHPを見ると光電センサーのE3JKシリーズにも電源電圧で2種類、検出方式で3種類、出力方式で2種類と多くの選択肢があることが分かります。この中から、タイム計測に適した光電センサーを選んでいきます。
電源電圧
電源電圧タイプにはAC/DC電源フリータイプとDCタイプの2種類があります。
AC/DC電源フリータイプ
AC/DC電源フリータイプの光電センサーは電源電圧が24~240Vまで対応しているため、交流(AC)電源である家庭用コンセント(一般的には100V)でも使用ができます。しかし、直流(DC)電源である乾電池で動かそうとすると、24Vの電圧を得るためには乾電池が16個(1個当たりの電圧は1.5V)も必要となってしまいます。
DCタイプ
DCタイプの光電センサーは家庭用コンセントでは使用できませんが、電源電圧は10~30Vと低い電圧でも動かすことができます。そのため、乾電池の場合は7個あれば動かすことができます。
電源電圧の選択
光電センサーをコンセントにつないで使用することは非常に手間であるため、より少ない電圧で使用できるDCタイプを使用します。
検出方式
光電センサーには検出方式として透過形、回帰反射形、拡散反射形の3種類があります。
透過形
透過形は投光器と受光機と2台のセンサーを利用します。
物体により受光機に入る光の量が減少するとセンサーが反応します。
回帰反射形
1台のセンサーと反射板を利用します。センサーの投光部から発射される光が、反射板から跳ね返り受光部に届きます。
物体により光が遮られると、受光部に入る光の量が減少します。その変化を検出しセンサーが反応します。
拡散反射形
1台のセンサーのみで物体を検出します。センサーの投光部から光が照射されますが、このとき受光部には光が入りません。
物体によって光が反射されると、受光部に光が入ります。その変化を検出しセンサーが反応します。
検出方式の選択
3つの検出方式の中で、設置のしやすさ、価格を考えると拡散反射形が優れています。しかし、実際に拡散反射形のセンサーを購入して試してみましたが検出の安定性に不安が残りました。
そのため今回のDIYで作る光電管タイム計測器では、検出の安定性、価格、加工の手間を考え、回帰反射形タイプのセンサーを使用します。
なお、DCタイプの回帰反射形にはM.S.R機能の有無でさらにタイプが分かれます。M.S.R機能とは、表面が鏡面状の検出物体を安定して検出するための方法です。この機能の有無で検出距離が若干変化し、機能がない場合で7m、機能がある場合で6mとなります。価格は変わりません。 どちらの使用でも問題はありませんが、今回は念のためM.S.R機能付きのセンサーを使用しています。
出力方式
さらに、出力形式がNPNとPNPと2種類に分かれます。これは、センサーの信号を伝える部品の設置方法に関することで、どちらのタイプでも制作できます。 今回の制作ではNPN形式を使用しています。
まとめ
ということで大変長くなりましたが、DIYで作る光電管タイム計測器の制作では以下のセンサーを使用していきます。