ストップウォッチを加工し、スタート/ストップを外部的に操作できるようにします。
ストップウォッチの加工
DIYで作る光電菅タイム計測器における最大の難関といえるのがストップウォッチの加工です。
ただ、これが以外に苦戦します。ストップウォッチの構造によって、コードの繋ぎ方が変わってきます。そして何より、ストップウォッチがどんな構造になっているかは、フタを開けてみないと分かりません。ただ、概ねこれから紹介する2つのタイプに分けられると思いますので参考にしてください。
金具接触型
1つ目が、金具接触型があります。100円ショップのストップウォッチをもとに説明していきます。
ネジを取り出してケースを空けます。操作音用のスピーカーのコードがありますが、今回は説明のために切断しています。
さらに回路を取り除くと、画像のような構造になっています。このストップウォッチでは、ボタンを押すと、金具Aと金具Bがつながります。金具同士が接触することによってスタート/ストップが動作します。実に単純なこの機能を、コードをつなぐことによって外部的に操作できるようにしていきます。
このタイプのストップウォッチでは、金具にはんだ付けができなかったため、それぞれの金具にコードを巻き付けています。耐久性としては不安が残ります。
最後に紐を通す穴にコードを通せば完成です。これでコードの先端同士を接触させることによって、タイマーを操作できるようになります。
スイッチ型
次に、スイッチ型があります。こちらも100円ショップのストップウォッチを用いて説明していきます。
こちらのストップウォッチでは、先ほどの様な金具は無く、基盤とスイッチで構成されています。
スイッチの内部は単純な構造で、ボタンを押すと内部で2本の足の金具が接触し、電流が流れるようになります。構造としてては金具接触型と違いありません。
そのため、画像のようにスイッチの足にコードを巻き付ければ完成です。
と思いきや、ひとつ大きな問題がありました。
こういう問題もあります。そのため、スイッチ側ではなく基盤側にコードを取り付けました。このタイプでは、スイッチの足と基盤が接触する部分に穴が開いていたため、そこにコードを通しています。これでケース内にコードが収まりました。
スイッチ型では、スイッチにコードを取り付けるか、基盤にコードを取り付けるか、見極めが重要となります。
おススメのウォッチ
以上、ストップウォッチのタイプは概ね上記の2タイプに分けられると思います。今回のDIYで作る光電管タイム計測器では、 dretec社の「アクティブランナー」を使用しています。
ラップ機能もついて、表示板が大きくて見やすく、価格もお手頃で何より加工が容易です。
このストップウォッチでは、基盤にスイッチが取り付けられています。構造としては先のスイッチ型と同様で、ボタンを押すと内部で金具がつながり、スタート/ストップが動作します。
ここでは、スイッチがはんだ付けされている部分に重ねてコードもはんだ付けします。
この時、となりのはんだの山と繋がってしまわないように注意してください。はんだが繋がってしまうと、ストップウォッチが正常に動作しなくなります。
このストップウォッチでは、コードを通すスペースも十分にあります。
これで完成です。コード同士を接触させると、ストップウォッチが動作することを確認してください。
動作の様子は、以下の動画をご覧ください。
ピンコネクタの接続
コードを外に引き出すことができたら、ブレッドボードで使用しやすくするため、秋月電子で販売されているピンコネクタの加工を行います。
このピンコネクタを使用することで、ストップウォッチのコードをジャンパー線と同じようにブレッドボードに抜き差しできます。
コードをコネクタに差し込みます。 そして、銅線部分から圧着していきます。圧着ペンチ等の専用工具もありますが、普通のペンチでも圧着することは可能です。片側ずつ丸め込んでいくイメージで問題なく加工できました。
次にコード部分も同様に圧着していきます。手で引っ張ってコネクタが抜けないことを確認してください。
接続部の保護に、こちらも秋月電子で販売されているコネクタ用ハウジングをかぶせています。「熱圧着チューブ」というものもありましたが、かぶせるだけで簡単なこちらのハウジングを使用しています。
2本とも同様の加工を行えば完成です。
ラップ/スプリット対応
ラップ/スプリット機能に対応するためには、ラップ/スプリット側からも同様にコードを引き出すことが必要となります。完成後にラップ/スプリット機能を追加することは困難ですので、必要な場合はこの時点で計4本のコードを引き出しておく必要があります。